冷えた夫婦の湯たんぽに
滋賀心理カウンセリングです。
今回は、内容や表現は一任されていますがある夫婦の奥さんに「私たちのことを書いてほしい」とのお願いを受けて書きます。
目的と理由は、旦那さんに読んでほしい。気付いてほしい。変わってほしいからということです。
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さて、
かれこれ約9ヶ月ほど前から、あるご夫婦が通ってくれています。
夫婦間でのすれ違いというか、悪く言ってしまえば不仲です。
初めは奥さんが「仲が良かった頃に戻りたい」でしたが、最近では「もうムリかも」に変わってきています。
旦那さんは初め「わざわざカウンセリングに来る必要ある?」でしたが、奥さんに合わせて付き合ってくれてる感じで、でも今では「先生と話すのは楽しい」と言ってくれています。
ただ、正直なところ実は旦那さんが、根っからピントが合っていないようにも私は思っていて、もちろんそれは旦那さん本人に伝えていますが「まぁ、これが俺なんで」と危機感は持ってないように見えています。
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この9ヶ月間、
奥さんは「旦那さんとのすれ違い、行き違いを直して、ちゃんと意思の疎通ができるようにコミュニケーションをとっていきたい」という流れです。
旦那さんは「奥さんが先生と話したいそうで、そこに俺も参加?してる感じ。もちろん俺もせっかくなので愚痴や不満や本音を話す良い機会になってる」といった認識です。
ちなみに、最初は夫婦で、2回目からは別々に順番に、そしてたまにまた夫婦でという形でカウンセリグに来てもらっています。
そんな中、
奥さんは趣旨がハッキリしていて要は「仲直り」または「理解、共感」といった擦り合わせで、仲良くやっていきたいというのが最初から一貫して伝わってくる話し方です。
旦那さんは、そういった根本の愛情が伝わってこず、「せっかくなので奥さんへの不満や愚痴を言ってスッキリ。ついでに職場での人間関係や友達との人付き合いも話してスッキリ」で、積極的に来てくれるようになっています。
旦那さんは旦那さんでカウンセリグを上手に使ってくれていますが、奥さんが希望しているのはそういうことではないんですよね。
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旦那さんにはサッパリしている問題点が2つあります。
それは、
「奥さんがそう言うならそれで仕方ない」と「愛情表現の仕方がわからない。愛情って何」です。
大問題です。
「もし奥さんが離婚したいって言ったら、まぁ仕方ない。望むようにさせてあげたい」と言います。
それを奥さんへの優しさみたいに言います。間違っていますね。
子供もいるのに、生活もあるのに、身内との関係性もあるし、引っ越しも。
でも旦那さんは「うん。でも、奥さんがそれでも離婚したいなら、そういうこともわかって言ってるんだろうし仕方ない」って言います。
なんで?と私は思います。
なるほど奥さんが悲しんで寂しがっているのはこの部分かと早い時期に気付きました。
優しいようで薄情。わかってるようでわかってない。尊重してるようで大事にしてない。そういうことをわかってない。
旦那さんの問題点の2つ目。「愛情って何」ですね。
旦那さん自身が育ってきた環境に問題はないようでした。
特にスパルタでもないし、過保護でもないし、両親も祖父母もいて、兄姉にも問題なし。
なら何故、愛情がわからない?
大事にされるのは当たり前で、自分が人を大事にしてこなかったから?
ズバリ聞いたことがあります。そしたら
「自分なりには他人をちゃんと評価して、尊重して、1人の人間としてお付き合いしているつもりなので、何を問題とされているのかわからない・・・」と言っていました。
なるほど。そういうことか。
男性には割とあることです。
奥さんと恋愛してきた?と聞くと、「うーん・・・たぶん。普通に」と答えます。
まぁ、そういう感じでしょうね。
旦那さんなりに正直です。
これってカップルや夫婦でのコミュニケーションに関するカウンセリグで珍しくない話で、
まず男性は女性を「腕力的な意味でしか守る対象と思ってない」んですよね。
おかしな言い方をすればライバルのように張り合う感覚でいる場合があります。
対等の存在感というように思ってて、役割分担や得意不得意などを効率的に分けたり、「俺は俺、お前はお前」と個性を評価してたり。
これが他人同士なら間違っていません。
でも恋愛関係や夫婦、または家族でこの価値観で人間評価をする男性が割といて、みんなこじらせてます。
だって彼女は、奥さんは、お母さんは、そんなふうに思ってないですもんね。
奥さんからして子育てを頑張る。家事を頑張る。眠くてもダルくても重くても頑張る。夫婦のため家族のため愛情を持って頑張る。
それを旦那さんは「お、お前なかなかやるやん。頑張ってるやん」と思う。それ自体は間違ってないけど、愛情が抜けてるんです。
なので旦那さんは、奥さんに対して頑張ってないとか足りてないと思うんじゃなく、ちゃんと「頑張ってるやん」と思ってるけど、
なぜか「よし、俺も俺のこと頑張るかぁ」を思うかどうか程度で終わってしまうんです。
手荒れを気にして「今日は俺が洗い物やるわ」とか、「先に寝てえぇで」とか、「子供連れて公園行ってくるから休んどき」みたいな思いやりに繋がらないんです。
それは優しくないとか愛情がないんじゃなく、発想がそもそもないんです。
だから、気が利かないんじゃなく、気が付かないんです。
多くの女性からすると「はぁ?なんで?意味わからん。なんでアンタはいっつもそうなん?」になるところを
多くの男性は「え、なんで俺が悪いみたいに言われなアカンのん」となるのはこういうことです。
女性は(私を大事にする気ないってことやんな)と悲しく思ってしまい
男性は(アイツあんなにゴチャゴチャ言うタイプじゃなかったのに)になっていき、
そのうちお互い「もうえぇわ」と思うようになり、言葉にも出してしまう。
それで溝ができていきます。
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今回の件は、
それでも強気になれず、あくまで穏やかに柔らかく優しくなっていってほしいと期待する奥さんと
サッパリわかってないけど「俺、別に普通に優しいやん」と思ってる旦那さんです。
そして9ヶ月間、カウンセリグする中で私なりに毎回毎回「そういうことじゃなくてね」と伝えてきていたつもりですが
結果的に奥さんは「もうムリかも」となってきています。
で、
客観的に旦那さんがズバリ、グサリと気付いてくれるように当HPにて旦那さんへ向けて書いてもらえないかということでした。
これはかなり多くのカップルや夫婦に当てはまることなので快諾して書いています。
しかし難しいのは、男性と女性でなんでこんなにも違いがあるのかというのは、性格や愛情の度合いが問題なのではなく
脳の作りの問題なので、実は現実的なことを言うと
諦めて「男ってこういうモン」として付き合っていく部分も要りますよといつも話しています。
なぜなら、女性側にとって一番安心する言葉を伝えますが
「あなたに飽きたり好きじゃなくなったんじゃなく、誰と付き合っても結婚しても旦那さん(彼氏)は同じようになるから。」と。
「あなたに冷たくなっていってるんじゃなく、旦那さん(彼氏)からしたらこれが普通の付き合い方なんですよ。」と。
まぁ、ほとんどの女性は納得しませんが(笑)
女性からすれば「もっと優しくしてよ」「もっと大事にしてよ」「もっとわかってよ」「たまには伝えてきてよ」と思うのが普通で、何も間違っていません。
一番いいのは「ふーん。そういうモンか」で、上がりも下がりもせず男女とも
「まぁこの人はこういう人やし。この人を選んだんやし。選ばれたんやし」で何も気にしないこと。
それが長続きの秘訣です。
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これを当該の旦那さんが読むのか、どう思うのかはわかりませんが
せっかく縁あって知り合い、仲良くなり、結婚もして、子供までいる今の関係や環境を壊すのはよくないので、子供たちのためにも今後も仲直りに協力していきたいと思います。
奥さんが言ってくれていました。
「先生と話しに来たらまた頑張ろうって思える。旦那も先生と話した後は優しくなる。でも二人ともまた戻ってしまうんです」
「でも、先生が私らの間の湯たんぽになってくれてるからまだ家族でいれて、それがちょっとずつコタツみたいにもなってきてて、そのうちエアコンぐらい温めてもらえたらいいなって思ってるんです」
なるほど私のゴールは白物家電ですね。
ブレーカーが落ちないようにだけしてください(注意書き)
できる限り全力で働いていきたいと思います。
滋賀心理カウンセリングでした。