
自己理解とポジティブな開き直り
滋賀心理カウンセリング – 米原ルームです。
移転が完了してすでに米原での来客もどんどん受けるようになってきています。
そんな移転直後のタイミングで嬉しいニュースを聞けました。
中3の頃から『不登校』と『生きる意味』をテーマにカウンセリングに来てくれていた長浜さん(仮)が、
がんばって高校に進学できて卒業もできて、
さらに大学にも通って卒業して、
なんと就職が決まったということで米原ルームまで来てくれました。
まぁカウンセリング継続中という今までと同じ状態ですが。
いや、少なくとも半年に1回以上は通ってくれていたのでずっと状態や流れは知っていましたが
なんとまぁ、人見知りで恥ずかしがり屋で、そうかと思えば深い闇を抱えているような、でも明るく楽しく生きたいという願望も持っているような長浜さんが社会人になって就職とは
親目線のように感慨も一入(ひとしお)です。
振り返れば最初はお母さんから予約の電話を受けて、
お母さんが来てくれたことも何度もあるし、お父さんが来てくれたこともありました。
「お父さんの言葉で死にたいと思った」から始まった閉鎖的感情。
しかし特段お父さんがおかしなことを言った訳ではなかったので、少しキツい言い方をすれば『それは長浜さんが気にしすぎ。お父さんが言ってたことは普通だし、それをそんなに否定的に感じてたら人付き合いなんてできないよ』なんですが
長浜さんや子供の感覚からすれば一事が万事。「まさかお父さんにそんなに厳しいことを言われるとはショック!」と感じてしまい
さらに、内容じゃなくショックだけが大きく残り、「信用できない」「裏切られた」ような感じを思い込んでしまい
日が経つにつれて思い込み過ぎている感覚がネガティブに悪化して、長浜さんなりの人間不信や絶望に繋がっていってしまい、不登校どころか部屋からも出てこない。セルフネグレクトにまでなりかけた、複雑な状態が続いた時期がありました。
けれども、今では「あぁ、そんなことありましたねぇ(笑)気にしすぎてましたよね、私(笑)」と言えるようになった長浜さん。
「もうカウンセリング卒業しようか」と言うと、「いや、仕事に慣れるまで、落ち着くまで来たい」と、少し怖がりな面もあるものの
最近では片想い中の恋愛相談もしてくれたりして、明るいし良い感じになってきています。
『これ気にしてて意味あるかな?自分にとって得かな、損かな。気にするべきかな。必要あるかな』とできるだけポジティブを意識した自己理解と
『気にしてる方がしんどいな。いつまでもこだわってても自分のためにならないな。周りにまで気を使わせてしまってるな。じゃあ、気にするのやめようっと』という開き直り。
そして『私がこんなに気にしてるってことは、お父さんはもっと気にして悲しんで責任を感じてるなぁ』ということにも気付く。
長浜さんはそれができました。
覚えててもいい。無理に忘れないでもいい。そういうことがあったという色々は誰にでもある。
けど、だからって自分以外には深くわかってもらえないし、正確に伝えるのも難しいし、あまりこだわりすぎても『だから何?』ってなることもある。
他人に『だから何?』って反応されるとすごく辛い。余計に辛い。
でも自分で『あれ?だから何?なんでこんなに気にしてたっけ?』ってなると、それはもうトンネルの出口。
どうでもよくなってしまっても大丈夫。
今の時代、弱さや甘さばっかり過保護にピックアップされるけど、誰もあとの責任を取ってくれないから。
甘やかされて、弱いのを肯定して、誰も人と深く関わろうとしきれないようになってきてる中、
その脆さのまま育ってしまって大丈夫かな?
そういう話をウチではしていきたい。
長浜さんはこの話を聞ける子でした。
それがもう何より嬉しい。
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たまに言われる『先生のおかげで』という言葉に励まされて、まだまだ頑張れそうです。
彦根、米原、長浜の方が特に来やすい場所に移転してきましたが、今後とも改めてよろしくお付き合いください。
滋賀心理カウンセリング – 米原ルームでした。