
その気なく、我が子をイジメる親ですか
滋賀心理カウンセリングです。
米原に移転してきて3ヶ月が過ぎました。
移転前と変わらず多くの方にご利用いただいています。
最近は彦根からという方がすごく増えています。
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最近、その彦根から来てくれているハタチの男子大学生がそうだったんですが、近年、少しずつ増えてるような事案があります。
それは『子供のことを考えてるのか考えてないのかわからない親』と、子供が思っているケースです。
彦根くん(仮)を例に挙げると
まず本人じゃなくお母さんから予約を受けたんですが、来客が続いて電話に出られなかった2時間の間に9回の不在着信がありました。
「多いな・・・せっかちで短気な人かなぁ」と予感します。
けど、例えば
仕事が忙しくて合間にどうしても早く予約を入れたかったとか
すごく嫌なこと、辛いこと、悲しいことがあった直後だとか
メンタルが弱ってて情緒不安定で誰かの声を聴きたいだとか
何かしらの、よほどの緊急事態だとか
人によってタイミングによって様々な場合があるので一概には決め付けられませんが、
それでもまぁ2時間に9回も電話をしてくるのは普通は考えにくいです。
「カウンセリングルームですけど」と発声して周囲に聞こえると嫌だという人もいるので、基本的にこちらから電話を折り返すことはしていません。
代わりに「先ほどは来客中でして、電話に出られず失礼しました」とショートメールを送るようにしています。
今回もそれを見て彦根くん(仮)のお母さんが返事をくれて予約を受けたんですが、顔を合わせてなくて声もまだ聴いてない状態なのに(これはせっかちで短気で攻撃的な人だな)という印象になったのをよく覚えています。
あまり詳しくは書きませんが、一つ挙げると「料金はいくらですか」とメールで聞かれて、「HPの通り学生さんは毎回4,400円です」という返事をしたところ
「HPは見たけど後から法外な請求されたら困りますからね」とわざわざメールで言われました。
えっ・・・・・。メチャクチャ失礼なこと言うやん・・・・・何この人・・・・・と驚きました。
例えば、
飲食店に行って席に座ってメニューを見て決めて店員さんに「トンカツ定食お願いします。これって料金いくらですか?」と聞き
店員さんが「は?いや、いま見てもらってる(まさに開いてる)メニューに書いてある通り税込み1,000円ですけど・・・」と言われて
「あぁ、メニューはもちろん見てたんですけどね、ぼったくられたら嫌なんでねぇ」って言うのと同じです。
美容院でもコンビニでも同じです。値段を知ってからサービスなり商品を購入するのに、わざわざ「いくら?ホント?後から法外な請求されたら困りますからねぇ」って、言いますか?失礼すぎるでしょう。
なので正直とても不愉快になったし、会う前にもう親身になれないから断るケースです。
基本的にカウンセリングというのは問答無用で味方になり親身になるものですが、カウンセラーも人間なので助けてあげたいと思いたいものです。このお母さんは真逆で、関わりたくないと思わされる人でした。
他にも無愛想というか無礼とまで思うような言葉遣いがありました。
敬語ではあるけれど丁寧に横柄な、気分を害してくる珍しいパターンです。
ただ、「息子を行かせたい」と彦根くん(仮)のための予約ということだったので受けたというイレギュラーな経緯でした。
ともかく、着信回数とメール予約だけでそういう印象になるお母さんでした。
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とはいえ息子さんには関係ないことなので、予約を受けて、彦根くん(仮)が来てくれました。
まぁ何とも礼儀正しく健気な良い子という印象です。
というか、良い意味で普通の子です。
あー良かったと思いながら話をしていくと、やはりテーマはお母さんでした。
カウンセリングに来た直接のきっかけは、詳細は省きますが
彦根くん(仮)がお母さんに「おかしいで!変やでお母さん!相手はそんなこと思ってないのに!」と、あることで苦言を呈すと
「アンタにそんなこと言われたくないわ!子供のアンタに何がわかるんや!」と怒鳴られ
またか、話にならへんと困っていたところ、逆にお母さんから
「アンタがどれだけ自分勝手か性格を直してもらってきい!」と言われ
その先がウチだったということで、彦根くん(仮)自身の意思で来たのではないそうです。
けれど、せっかく来たからと素直に話をしてくれて
「先生、僕がおかしいですか?よくわからないんですけど」と困惑しているのが正直なところ。
うん、聞く限りおかしくないねぇ。
ただ、お母さんのことが怖くてか、お父さんはほとんど関わってくれないそうで彦根くん(仮)は
アダルトチルドレン、インナーチャイルド、PTSD、愛着障害などの懸念がある状態ではありました。
そりゃそうだ。そりゃ寂しいし悲しいよね。小さい頃から違和感と不自然を感じてきてたね。
彦根くん(仮)の話を聴いていくと、まだ会ってもないお母さんの印象と現実が合致していきます。
もう期待するのを諦めて親離れをしていくことを勧めました。
良い悪いじゃなく、お母さんはそういう人と思うのがいいよと。
嫌いにはなりたくないという彦根くん(仮)の気持ちも慮りながら、バイト代を貯金していって一人暮らしを計画するのを勧めています。
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中学、高校と柔道部だった彦根くん(仮)は、「お母さんの命令で入らされて、辞められへんかっただけです」と言います。
命令って。。。
家を出て離れたいと遠くの大学を希望した時も「アカン、家から通えるトコにしな」とお母さんに言われて、頑張って逆らったけどお母さんが何を言ってるかわからないけど荒れ狂うのを止めるには言うことを聞くしかなかったと言います。
中3の時に「友達と遊んでくる」と言ったら「アカン」と言われ、「なんで?」と聞くと「なんでもえぇからアカン!」と怒鳴られ、理由がわからないまま行かせてくれなかったと言います。
何でもない時に、彦根くん(仮)がテレビを見ていたらお母さんが「だからアンタはアカンのや!」と怒鳴ってきて「何が?」と聞くと無視されたそうです。
お父さんは仕事以外も釣りとパチンコで家にはほとんどいないそうで、彦根くん(仮)が小学生の頃からほとんど会話をしてなくて味方とも相談相手とも思えないそうです。
お母さんはことあるごとに「全部アンタのためや!」と怒鳴るそうです。
お父さんは「お前のことはお母さんに任せてある」と言うそうです。
彦根くん(仮)は「何が?」「なんで?」「ちゃんと教えてよ」と今まで何度も伝えてきたけれど、お母さんもお父さんも答えてくれず、両親とも何を考えているかわからないとずっと思ってきたそうです。
「そんなんばっかりでしんどいです」と言います。
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「先生、やっぱウチの親って変ですか?」
「うーん、まだ直接は会ったり話したりできてないから何とも言えないけども・・・着信回数とメール予約で思った印象と、彦根くん(仮)の話を聴く限り・・・・・。もうお母さんとお父さんがどうこうは考えずに、一人暮らしして親離れするのがいいかもね・・・・・」
「そうします。いや、ずっとそうしたいんです。今日も家を出る時にね、お母さんに『これがお母さんの愛情や』って言われたんです。また『何が?』って聞いたけど無視されたんです。僕そんなにおかしいですか?」
「いや、全然わからへん。彦根くん(仮)のおかしいところはまだ先生には見えてきてないわ・・・・・」
聞いててかわいそうすぎて泣きそうになりました。
夫婦も親子もそうですが、愛情とは?と不思議に感じることが多い昨今です。
もちろんお母さんから話を聴くとお母さんなりの考えや気持ち、根拠や愛情があるんだと思いますし
どうしようもない事情があるのかもしれません。
もしかしたら夫婦や義親などの関係性で家の中では不機嫌なのかもしれません。
でも、40代のお母さんとその息子さんハタチを同格に心配することはしにくいし
今回の話もどう考えても彦根くん(仮)が不憫です。
余裕を持っていられない殺伐としている穏やかじゃない世の中で、どうしても自分優先になったり薄情になりやすいご時世なのもよくわかってはいますが
何とも言えない、子より親の方がおかしいということを現実に感じる機会が増えてきている気がします。
滋賀心理カウンセリング – 米原ルームでした。