良い話。乗り越えた報告を受けました
滋賀心理カウンセリングです。
京都府は宇治市から来てくれていた男性39歳から約2ヶ月ぶりで9回目の予約があり、予定通りに来てくれました。
なんとなく楽し気というか嬉し気な表情で、差し入れをくれました。お菓子の詰め合わせです。
私は「ってことは?自分の中でスッキリ?」と聞きました。
差し入れをいただくこと自体まず嬉しいのですが、カウンセリングにおいて差し入れをいただく時というのは初回に挨拶の意味でいただく以外は『問題が解決した時』や『気持ち的に乗り越えた時』など、ポジティブな状態になった時というのが多いので、それがまた嬉しいのです。
今回の男性も「そうなんです!笑」と初めて見る満面の笑み。
詳細は避けますが、この京都の男性の方のテーマは『情緒不安定』でした。
・仕事についていけず疲れが溜まってきている
・この1年ほど、奥さんが素っ気ない気がする
・奥さんがスマホを触るのを見掛けることが増えた
・奥さんがコソコソしている気がする
・奥さんが浮気してるんじゃないかと怪しむ
・仕事に集中できなくなる。ミスが増える
・家に帰っても奥さんが優しくない気がする
・奥さんに話し掛けることができなくなっていく
・奥さんも積極的に話そうとはしてくれない
・仕事がどんどんうまくいかなくなる
・家の中もうまくいかなくなっている気がする
・気を紛らわそうとマッチングアプリに登録してみる
・未婚と嘘をつき女性とやり取りをする
・誰とも会おうとはしなかったが罪悪感
・家の中でさらに無口になってしまう
・カウンセリングに来る
「妻の浮気が辛い」と相談。
–
あれ?
それって、奥さん浮気してますか?
むしろ自分が浮気未遂では?
「あ、え・・・。そうですか?」
???
奥さんが浮気したっていう確認は?
「いや、確実な証拠はないんですけどね」
ですよね?
「え、じゃあ僕がおかしいんですか?」
ん?いや、おかしいっていうか
– – -というのが初回でした。
ネガティブな想像をすべて肯定したら、
・奥さんが1年前から素っ気ない
・よくスマホを触ってる
・あまり話し掛けてこなくなった
・浮気してるっぽい
ということですが、どれも本人の「気がする」レベルでの疑いなんですよね。
実際そうなのかもしれないけど、もし違うかったらマッチングアプリで女性とやり取りした分、奥さんからすれば裏切ったのはどっちやねんということになるのでは?と言うと
混乱したようで少し取り乱してました。初回のことですがよく覚えています。
で、
カウンセリングに来た目的が
『気分を落ち着かせたい』のと
『仕事を辞めたい。もう頑張れない』でした。
わかるよ。わかるけど、でも家庭と仕事は別の話だと思うよ、と私は伝えるのですが
「何が別なんですかぁ!嫁に浮気されて、仕事もうまくいかんで!どないせぇ言うんですかぁ!」と混乱。
奥さんは奥さん。仕事は仕事で分けて考えていきましょうということで初回は終了。
二回目の予約を入れてくれたものの、もう来ないかなと思っていましたが、来てくれました。
–
「僕アホになってます。あんまり寝れてないからか、仕事でミスが増えてるんです」と。
確かに顔色が悪い。
元々、2年半前に今の仕事に転職した当初から要領を掴めず合ってない気がしていたそうです。
研修期間が終わり、新人とは扱ってもらえなくなっていき、でもうまく馴染めず居心地の悪い職場というふうに感じていたそうです。
年齢も年齢ですから、軽く見られるというか厳しい見方をされて辛かったり。
そこに奥さんの浮気疑惑。
もうやってられない。頑張れない。と。
うん、なんで混同する?まだ奥さんが浮気してるかはわからないですよね?とまた同じ話。
★奥さんが浮気してる前提で、それを知らないフリして変わらずいるのか
★奥さんが浮気してる前提で、それを知らないフリして転職するのか
★奥さんが浮気してる前提で、それを知らないフリして別居や離婚を考えるのか
いろんな選択肢を一緒に考えますが、なぜか浮気の疑惑をハッキリさせることを本人は考えない。怖いんですね。それもわかります。
ただ、浮気してるかどうかわからないけれど、でも浮気してると決めつけて一緒に生活するのは辛いし色んなことがおかしくなる。
じゃあ新しい選択肢として、『奥さんが浮気してる前提で、本当に浮気してるかどうかを確認する』のは?
もちろん私としては「ウチの嫁が浮気なんかしてる訳ないって信じてる。嫁に直接ビシッと聞きますわ」と言ってほしいけど、何もうまくいってなくてテンションが下がってる男性はポジティブになれないそうなので
さらに「もう離婚して死にたい」とか言い出していたので、せめて確認しなさいと。
本当に浮気していたら大ショックではあるけれど、ハッキリしないままずっといるのもしんどい。
というか、聞いている限り奥さんが浮気してそうとは私は思わない。
何よりカウンセリングに来て励ますことはいくらでもしますが、家に帰ると現実が待っている。仕事に行くと現実が待っている。なので気休め程度の励ましでは足りないと考えました。
回数を重ねるうちに、少しずつ考えが変わっていったようです。
「そうですよね。嫁が浮気してるって勝手に決めつけたらダメですよね」
そうですよ。それに、逆に自分が何もしてないのに浮気してると決め付けられたら嫌でしょう。辛いでしょう。
「ホンマそうですわ。じゃあ、でも、調べるとか確認するってどうやって・・・」
そりゃまぁ、コソコソと嗅ぎまわったり勝手にスマホやパソコンを見たりは勧められませんから、ズバッと聞くのが一番気持ちの良い方法ですよね。
「・・・怖いなぁ・・・」
うーん。それもわかる。めっちゃわかる。
「・・・・」
そういえばね、ウチにカウンセリングに来てくれてること、奥さんは知ってますよね?
「はい。仕事のことで参ってて、って言うてます」
じゃあ、僕が聞きましょうか?それか一緒に来てもらってウチで聞くか。
「あ、なるほど・・・。そっか」
うん。奥さんが浮気してないってことになったら気分がガラッと変わるでしょ?
「そうですね!え、でも先生が聞いてくれるんですか?」
どっちかと言えば僕が聞く方があとがラクでしょうね。僕なら嫌われても家庭に影響は少ないでしょうし。それに、めっちゃ疑ってる感じじゃなくてチラッとサラッと言ってみて奥さんの顔色や反応を見てみるだけでも判断できるかもしれないし。
「え、それをお願いしてもいいんですか?」
いいですよ。僕は、最初から言ってた通り奥さんは浮気してなさそうと思ってるんで。
ということで、5回目のカウンセリングに奥さんも同席してもらいました。
話の流れで、仕事についていけなくてしんどい。日に日にテンションが下がってる。体調も悪い。心配ですよね。転職を考えてもいいと思うんです。というような話をしながら、
私から奥さんに「安心材料のために聞きますね。笑い飛ばしてくれてOKですので」と前置きして
「奥さん、旦那さんと一緒にいるの疲れてきてます?」と聞くと
いえ?そんなことないです
「奥さん、マッチングアプリって登録したことあります?」
ないです。結婚してますし
「奥さん、浮気したいと思ったことは?」
ないない(笑)ないです(笑)
「じゃあ浮気したこともないですね?」
そんなヒマないですよ(笑)
「オッケーです。失礼なこと聞いたけど、これで旦那さん改めてすごく安心できると思うんですよ」と言うと
奥さんは平気な感じで「そうなんですか?(笑)」と余裕でした。
嘘をついてる感じじゃなかったし、そうだろうなと予想できてたし、男性もドギマギしながら嬉しそうでした。
「じゃあ、退職または転職、それか診断書をもって適応障害で休むか、仕事への取り組み方を改めて考えましょうか」と
最初からその話してたやん、と奥さんには頼りなく思われてしまったかもしれませんが、男性にとって大きく安心できた回でした。
–
そして、一気に奥さんへの疑惑や混乱は解消したものの、そもそも合わない仕事なんじゃないかという方向で考えていって、診断書をもって退職する形に進んでいきました。
–
8回目のカウンセリングで適応障害の診断書を出して、「これをもって退職してきます」という話でいったん終了しましたが
ここで冒頭に戻りますが、8回目のあと2ヶ月ほど空いてまた来てくれた時、何を悩んでるということではなく
奥さんと仲直りできて家庭は円満(元々ケンカしてない)。
新しい仕事にも行きだして大丈夫そうな感じ。
もう根拠のないネガティブは無くなった。
ということでした。
それをわざわざ差し入れをもって報告に来てくれました。
嬉しかったなぁ。
なんで浮気されてそうだからってマッチングアプリに登録するねんというツッコミは当然ビシッと入れておきました(笑)
奥さんには内緒でいいけど、もう裏切るようなことしないようにと。
ものすごく平謝りしてくれてましたが、私に謝ってどうすると。
しっかりしなさいと(笑)
こういう良い話がもっと増えるようにこれからも頑張っていきます。
PS,
そういえば宇治もそうですが京都から来てくれる方が最近は多い気がします。
知人や友人という関係性だけではなく精神科、心療内科、役所、弁護士、警察などからの紹介なり、勧めていただくことが増えています。
それだけみんな気持ちに余裕を持ちにくい世の中ということでしょうか。
ウチはウチなりに、できることを尽くしていきます。
滋賀心理カウンセリングでした。