父親の支配的家庭、母親からの精神的虐待
滋賀心理カウンセリングです。
複雑性PTSDで限界が来たという一例です。
京都から通ってくれている宇治さん(仮)女性31歳のお話です。
宇治さん(仮)は幼少からあまり良くない家庭環境で育ってきたことで、大人になった今も自分の生き方がヘタで辛いということです。
初回まず話してくれていたのは、恋愛ができないということでした。
好きな人ができる。なので片想いはする。それが長く続くこともある。それだけならいい。
けれど、付き合うようになると自分が変わってしまう。
私「どういうふうに?」
宇治さん「好きな人のハズなのに、相手を下に見るようになってしまうというか、偉そうになってしまうというか。かまってほしいどころじゃなくなるというか、ヒステリックにもなってしまうんです」
私「それは今までの特定の一人に対してだけ?それか、付き合うたびに?」
宇治さん「ほとんど付き合うたびに、です」
私「じゃあ偶然じゃないってことやね。相手の携帯を見る?どこで何してるか知ってないと嫌?」
宇治さん「見るし、そうですね。浮気したら殺すでって感じで全部を知りたいようになっていくんです」
私「ふむふむ。アカンねぇ。支配的な関係性にしてしまうんやね。でもそれを受け入れて長く一緒にいてくれる彼氏はおらんよね?」
宇治さん「はい。相手は嫌だと思うし、実際ほとんどの人とはすぐケンカになって『お前おかしい』って言われたりするようになってフラれます」
私「うん。たまに気の弱いというか、優しすぎる彼氏は我慢してくれたりするけど、それにしたって限界がきたら逃げるよね」
宇治さん「そうなんです」
私「ってことは恋愛とか両想いとかって関係性じゃなくなってしまう、と。どういうタイミングとかきっかけで自分にスイッチが入るか自覚ある?」
宇治さん「スイッチですか?」
私「うん。付き合ったらすぐとか、好きになってくれたのがわかった時とか、自分が怒るきっかけが起きた瞬間からとか」
宇治さん「あ、スイッチあると思います。付き合ってるかどうかじゃなくて、ケンカはもちろんなんですけど、相手が私を好きなのが伝わってきたら自分の中で相手を下に見るようになってしまうというか、そういう感じがあります」
私「うんうん。それはね、相手の男性がどうこうじゃないよね。例えばよっぽど暴力的とか、怒らせたらダメなタイプみたいなんじゃない限り、相手に関係なく宇治さんの中でスイッチが入るよね」
宇治さん「そうなんです。いっつも同じような感じになって、自分で自分を嫌いになるし、関係をダメにしてしまうんです」
私「それってさ、生まれつきの性質の可能性もあるんやけど、まず思ったのは家庭環境かなーと思うんよね。両親とか、当時の担任の先生とか、極端な人やったり普通じゃないような経験をしてきたって思うことある?」
宇治さん「あります!お父さんが暴君すぎて」
私「暴君?メチャクチャ偉そうな殿様?」
宇治さん「そうなんです。自分は家のこと何もしないのに、お母さんにめっちゃ偉そうで。私とかお兄ちゃんにもとにかく偉そうで、怒鳴られたり叩かれたりも普通にあって」
私「亭主関白とか、『家事は嫁がするモンや』ってレベルじゃないぐらい?」
宇治さん「はい。そんな普通の範囲じゃないと思います。とにかくちょっと気に入らないことがあったら怒鳴るし、物を投げたり壊したりするし」
私「ふむふむ」
宇治さん「そういうお父さんと、それでお母さんもおかしくなったというか」
私「お母さんも?」
宇治さん「はい。私が覚えてる中ではお母さんも最初から怖かったんですけど、お母さんが自分で言うにはお父さんのモラハラを受けて、おかしくなっていって、お父さんがいない時に私とお兄ちゃんに八つ当たりするようになっていったらしいです」
私「そっか。お母さんも大変やったね」
宇治さん「それで私、お兄ちゃんもそうですけど高校を卒業してすぐに家を出て、それからはできるだけ両親に近付きたくないって感じです。でも無視もできないから用事があったら連絡とるし、法事とかあったら集まるんですけど」
私「うん。やっぱり先天性じゃなくて後天性みたいやね」
宇治さん「後天性?」
私「宇治さんが恋愛がうまくいかないのは、生まれつきコミュニケーションが取れないんじゃなくて、産まれた後の家庭環境によってヘタになってしまったってこと」
宇治さん「あ、そうなんですか」
私「たぶんね。断定はできないけど、とりあえず今はそう思うかな」
宇治さん「はい」
私「要は、お父さんの暴力的で支配的な振る舞いと、それを受けて八つ当たりをしてしまうお母さんのよくない部分を、残念ながら真似して繰り返すようになってしまってるってことやね」
宇治さん「あ・・・やっぱり、そういうことになるんですね。確かにお兄ちゃんも変なトコあって、怒りだしたら怒るっていうよりキレるってとこまでいってしまうんです」
私「お兄ちゃんも影響を受けてるね。。。まぁ、そう考えると納得しやすいと思うし、宇治さん自身も支配的な恋愛したくてしてた訳じゃないもんね?」
宇治さん「もちろん、そうなんです・・・。自分としては、支配ってするのもされるのも嫌なんです。あの、これって病気というか、障害とか、何か言い方はあるんですか?」
私「アダルトチルドレン、愛着障害、複雑性PTSDって言えると思う。パーソナリティー障害とまで言えるかは今はまだなんともやけど」
宇治さん「は、はぁ」
私「まだ情報が少ない中で決めつけることはできないけど、いわゆる毒親ということやんね?」
宇治さん「そうです。愛情とか好きとかないです」
私「うん、そのままではしんどいのがいつまでも続くから解放されていけるように話をしていきましょう」
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こういう話が近年では増えています。アダルトチルドレン、愛着障害、複雑性PTSD。
将来的に考えるとこういったDVのような子育てって連鎖して繰り返してしまう可能性も高いので、なんとかしてあげたいと思います。
滋賀心理カウンセリングでした。
PS,
そういえば前回に書いたお話『自慢話論』が、よそのサイト「カウンセリング相談集」だったかな?に掲載されたそうです。
良い話だと思うのでよければどうぞ。
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PS2,
最近「カウンセリングドットコム」という外部サイトからの予約申し込みが増えています。
それはつまりカウンセリング利用者が増えているということですね。
一人で我慢しすぎず誰かに相談しようとするのは良いことだと思います。