会社員
滋賀県守山市Uさん
29歳
カウンセリングって聞き流すだけですか?
- カウンセリングって聞き流すだけですか?
- えっ、早速どうしたんですか?
- いえ、あの今まで他にも2ヶ所のカウンセリングに行ったことがあるんですけど、
- はい。
- 40代ぐらいの男性と、50代ぐらいの女性のカウンセラーさんなんですけど、
- はい。
- どちらもほとんど目が合わないから大丈夫なのかなとは思ってたんですけど、
- はい。
- 最初から最後まで何も言ってくれなかったんですよ!
- えっ、えーっと、受け答えが?返事も?
- なんていうか、「うんうん、そうですね」「なるほどー」みたいなのはあったけど、それだけなんです
- じゃあ、ほとんど目が合わないけれども、受け答えはしてくれて、返事と言うか反応もしてくれてたんですよね?
- いや、そりゃ「あのー」って言うと「はい?」みたいな反応はありますけど
- あー、意見というかアドバイスというか、そういうのがなかったんですね。
- そう、そうなんです!
- 2ヶ所のカウンセリングに行って2ヶ所とも?アドバイスというか意見ゼロ?
- そうなんですよ!そんなん意味あります?そういうのもカウンセリングって言うんですか?
- うーん。カウンセラーの大体はまず『傾聴』というのが大事で、それが一番やるべきことみたいに教えられますから、それを鵜呑みにしてるカウンセラーさんが多いのかなぁ。
- ケイチョウ、ってなんですか?
- 傾聴というのは、傾いて聴くって字の通り、まずはクライアントさんのお話を聴くのと、クライアントさんの考え方やタイプ、どんなふうに出来事を受けたり、どんなふうに行動できたり方向転換できるのかを知っていくことなんですけどね、
- いや、じっくり聴いてくれるのはありがたいです。ハッキリ言って愚痴を吐き出したくてカウンセリングお願いしてる意味合いもありますから・・・
- うん、もちろん愚痴やストレスを発散してもらって、できるだけ全体像をわかろうとして、『さぁこれからどうしていこうか』という話をするんですけど、
- あ、え、もしかして時間が短かったからカウンセラーさんが話してくれるタイミングがなかった?
- お、鋭いですね!そう、時間が足りずにカウンセラーが話す番が来なかったり、『話を聴くだけで終わっちゃった』ということもなくはないんです。
- あー、なるほど。いや、えっ、違いますよ。そういう天野先生みたいな感じじゃなかったんですよ。
- ん?それはどういう?
- 天野先生が言ってくれてる感じなら、もし時間が足りなかったにしてもそれが伝わってくるし、ちゃんと天野先生のアドバイスをくれようとするでしょ?
- まぁ、そうですね。延長できれば延長してもらったり、方向性や選択肢の提案をしたり。ちゃんとカウンセラーが話す番を作ります。
- それが前の2ヶ所にはなかったんです。そもそもこういう会話のキャッチボールすらなくて、聞き流されてる感じしかしなかったんです!
- それをここで怒られても。。。でも確かに、傾聴しかしない、傾聴しかできない、黙って聞き流して相槌だけ打って「じゃあ次は2週間後に来てください」ってカウンセラーも多いとはよく聞きますけど。
- いや、そんなん行く意味ないでしょ!?
- まぁまぁ落ち着いて。Uさんのように意見を求める、結論を出したい、方向性や可能性の提案を受けたいというタイプと、黙って聞いてほしいというタイプがいるんです。同じ人でも「今日は意見がほしい」「今日はとにかく吐き出したい」ということもあるし。
- それはわかります。私は女の割に物事をハッキリさせたい性格だし、結論を出すために一緒に考えてほしいって面も強いから、わかります。
- うん。男性は基本的に「どうしよう」「どうするべきか」の方向性を進めたい場合が多いし、女性でもそういう考え方やそういう場合の話も多いです。だからUさんは少数派ではないですね。
- でしょ?なのに、ほとんど目も合わさない、黙って真顔で「うんうん」言ってるだけで何の意見もない。そんなんじゃカウンセリングに行く意味ないですよ!
- いや、だからそれをここで怒られても。。。まぁ、今までの2人のカウンセラーさんは話の筋を見誤ったか、Uさんのタイプを見誤ったか、聴くことしかしない、できないカウンセラーさんだったかでしょうね。というかよそのカウンセラーさんを悪く言えないしわからないけど。
- もしかしたら私が他力本願だとか、人に意見を求めてどうするって言われてしまうのかもしれませんけど、でも安くないお金を払ってカウンセリングをお願いしてるんですから、傾聴しかしないっておかしいでしょ!
- いや、だからそれをここでそんなに怒られても。。。え、それ実は僕にも言ってるんですか?
- 違いますよ!天野先生はやっと、ちゃんと受け答えしてくれるから言えるんですよ!
- うん、それならよかった。じゃあ、だいぶ脱線してるので話を元に戻しましょうか。まだまだ僕からの意見も言いたいし。
- えー、でもなんか、まだ釈然としないんですよー!天野先生はそうやって軌道修正してくれたり、ちゃんと本筋の話もしてくれるけど、前の2ヶ所はそういうことすら考えてなさそうで、私のことを見誤ったとかじゃなくて聞き流すことしかしないって決めてる感じで、すごく嫌だったんです。
- それはぶっちゃけ実際そうなんだと思います。傾聴しかしない、できないカウンセラーさんが多いのはいろんな人から聞きます。ただ、傾聴だけを求めてる人が多いのも現実なんです。黙って聞き流してくれていいから自分勝手に自由に喋らせてほしいという人が増えてるんでしょうね。
- それって、それでスッキリできたり回復できたりするんですか?
- 人によって日によってですね。それでOKな場合もあると思います。
- でも、家に帰ったり学校に行ったり仕事に行ったら何も現実は変わってないでしょ?
- もちろん。なので一長一短ですね。けど一時的にでも吐き出してスッキリしたい時があったり、それでまた頑張ろうと思えるのも大事なことですよ。
- えーっと、何かしらの問題のあるカウンセリングを受けたい人が、カウンセラーさんに一方的に愚痴を吐き出すというのは、何か良くなるものですか?
- 良いとこ突きますね。僕はそれは何の助けにもならないんじゃないか、逆にもっと閉鎖的になるんじゃないかと心配する場合が多いのであまり良いこととは思ってないんですよ。とは言え、「今日はしんどいんです」とか「今日はとにかくぶちまけたいです」って日もあるだろうから、人によって日によってですね。
- なるほど。。。いろんな人がいますね。
- そう、いろんな人がいるし、同じ人でもいろんな場合があるんです。「愚痴るだけでは無意味、解決させたい」というUさんは正しいし、でもだからって「どうにもならない現実があって解決なんてできようがない。せめて愚痴らせて」という人がいるのも現実。そしてそれが解決可能かどうかは人によるし問題によるし時期にもよる。だから一概にワンパターンにはできないんです。
- めっちゃよくわかる。。。でも、じゃあ傾聴しかしないのってダメじゃないですか?
- ダメですね。ウチでは有り得ません。傾聴に尽くす時もあれば、意見も出す。わかりやすいよう解釈していきながら、改善改良を目指すことこそカウンセラーの本分ですからね。対応がワンパターンなんて方が珍しいハズなんです。